出雲大社と足立美術館  
                                                     
 

 いよいよ終わりの近づいた会社生活のなかで2月24日から26日まで北九州は小倉での仕事である。

そこで小倉が里である家内も車に乗せて23日の夕方、高速道路に乗り一路小倉をめざした。

65歳から親会社に復帰し監査の仕事を始めてから4回目だが、いずれも家内同行で家内の妹の家にお世話になってきた。

今回もその例に洩れず、またお世話になった。24日は仕事の後、40年以上前一緒に歌っていた北九州混声合唱団の友人達との食事会を行い旧交を暖めた。これもこの数年来の行事となっている。

 そして仕事も終わった27日妹夫婦も誘って予約済みの“びっくり皆生温泉と出雲大社参拝”の一泊二日のバスツアーに出発した。 

福岡始発のバスに小倉駅から乗り込んだのは、我々2組の夫婦と女性3人組の7人、そして満席となったバスは関門橋を渡りいよいよ中国路へ。

 三次インターで降りて「三次ワイナリー」で焼き肉の昼食。

そのあと国道54号線を出雲大社に向かう。民家の作りも屋根瓦も九州とは違う中、雪も残る風景を楽しんだ。途中「道の駅 掛合いの里」でトイレ休憩。

そこには今話題の民主党 小沢代表とも関係の深かった竹下元首相の銅像もある。案内によるとこの掛合町が出身地とのこと。

旅では思わぬところで思わぬものに出会うものである。興味だけでつい一枚写真を撮ってしまう。

 午後4時過ぎやっと出雲大社に着く。いまさら縁結びの神様もないものだが、一回は行って見たかった所である。今回のコースを選んだのもその為といっても過言ではない。

ツアーバスの駐車場と時間の関係で参道をゆっくり歩くことは出来なかったが、日本一の注連縄を見たり、銅製の鳥居を見たり充分楽しむことが出来た。

ただ本殿は平成20年から6年がかりの「平成の大遷宮」に入っているため、仮本殿でのお詣りとなった。境内の土産物店に入ると今放送中のNHKの朝ドラ“だんだん”に因むお菓子類も多い。

 その夜は、皆生温泉に宿泊、冷えた体に温泉は心地よかった。お膳に並んだカニ料理に舌鼓をうち翌朝ホテルの窓から雪の大山を眺め境港の魚市場へ。

ここもカニや烏賊など海産物が並ぶ。皆さん競うようにお土産を買っていた。またこの町は出身の漫画家 水木しげるのおばけのキャラクターで有名なところである。市場の前にも「げげのきたろう」の大きな像があった。

そのあと今回2番目に楽しみにしていた 足立美術館へ。横山大観の収蔵が多い美術館として有名と聞いていたが、先ずびっくりしたのはここの庭園である。

2003年から08年まで6年連続庭園コンクールで第一位を穫ったとのことで、借景をも取り入れたそのスケールといい自然と人工の調和美など正に日本一にふさわしいものであった。

大観を中心とする日本画中心の美術品も素晴らしく、素人の私の好奇心を充分に満たしてくれた。ただバスツアーの悲しさ、ここでの時間は90分しかなく、庭園も含めた見学には時間が足りない。

最後の北大路魯山人の焼き物のコーナーは駆け足でまわってやっとバスの集合時間に間にあった。ゆっくり半日くらいはとどまりたい場所であった。

 帰りは宍道湖湖畔の勾玉ミュージアムにて、そば御膳の昼食。

思い出と名残を残しながら再び九州に帰ってきた。

出雲大社、足立美術館など今度は自分の車をまわして、ゆっくり行ってみたいものだ。

自分で行くと最低でも2泊3日はかかるコースである。

 非日常に身を置く“旅”はどんなものでも楽しいものだ。

この3月14日は、龍馬ハネムーンウオークイン霧島に参加し今年は高千穂登山に挑戦しようと思っている。